バイクなどの暴走、騒音に関する110番通報が兵庫県内の神戸や阪神エリアで今年、急増している。暴走族は全国で激減してきたにもかかわらず、なぜなのか。取材で浮かび上がってきたのは、違法ライダーたちの「出張疑惑」だった。
「ひとっ飛び」
9月中旬の土曜日の夜、神戸市の湾岸部にあるポートアイランドの一角。若者たちのたまり場になっているコンビニエンスストア周辺にこの日、パトカーと警察官が集結した。
県警交通捜査課や神戸水上署による違法改造車両の取り締まりだ。走行中に違法改造を疑われた車両が次々と、警察官に誘導されてくる。
警察官が、騒音の目立ったバイクのエンジンをかけ、回転数をあげる。音の大きさを特殊な機械で再確認し、「(音が)出過ぎやな」。
運転手は10代の男子学生…