内戦下のミャンマーで、麻薬の生産が急増している。ヘロインの原料のアヘンについて、国連薬物犯罪事務所(UNODC)は12日、「ミャンマーが世界最大の供給国としての地位を固めている」と報告した。政情不安を背景に、収入を得るために農民らが生産に手を出す現状がある。
ミャンマーのアヘン生産量は、昨年アフガニスタンを抜き世界一になった。アフガニスタンでは2022年、イスラム主義勢力タリバンの暫定政権がアヘンの元となるケシ栽培を禁じた。
今年の報告によると、ケシの栽培面積は前年比4%減の4万5200ヘクタール、アヘン生産量は昨年の1080トンから995トンに減少したが、依然として世界最大。UNODCのマスード・カリミプール地域代表は、「深刻な内戦やアフガニスタンの禁止措置が影響し、今後数年間でさらに拡大するリスクがある」と指摘した。
アヘン生産量は13年から減少していたが、21年の国軍のクーデター後に増加に転じた。国軍と抵抗勢力による戦闘で取り締まりが弱くなったほか、政情不安で地元民が困窮し、収入を見込めるケシ栽培を始めざるを得ない面がある。UNODCの調査では栽培の理由は「食料を買うため」との回答が最多だった。
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