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くしろ湿原ノロッコ号=JR北海道提供

 JR北海道は、雄大な風景の中を開放感あふれる客車で進む名物観光列車「ノロッコ号」の運行を2025年度を最後に終了することを正式に発表した。

 使用しているディーゼル機関車、専用の客車ともに老朽化が進み、運行継続が困難となっていた。同社の綿貫泰之社長が18日の定例記者会見で明らかにした。

 ノロッコ号は、1989年から運転を開始した「くしろ湿原ノロッコ号」(釧路―塘路間、27.2キロ、機関車含め5両編成)と、98年からの「富良野・美瑛ノロッコ号」(旭川―富良野、54.8キロ、機関車含め4両編成)が、主に夏の期間、運行されている。

 乗客は大きな窓から入る自然の風を受けながら、北海道らしい雄大な景色を楽しめる。車内販売では沿線の農産物や地ビール、ワインを味わうこともでき、広く人気を集めてきた。

 しかし、機関車は製造から45年以上が、客車は40年以上が経過し、部品入手が徐々にできなくなり、使用する車両のメンテナンスが困難に。JR北海道では今年に入り、2025年度での運行終了の方針を示していた。一方、今年6月には、釧路市などの地元自治体の首長らから運行存続の要望が出ていた。

 綿貫社長は「釧路湿原では、自動車では入っていけない場所を列車で進み、富良野・美瑛では広がるラベンダー畑など、北海道ならではの景色をのんびり楽しんでいただける列車だった。車内販売など地域のみなさんからも協力をいただいてきた。深く感謝を申しあげたい」と話した。今後については、名称を引き継いだ列車を運行するかなども含めて「未定」としている。

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