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国内で承認されている2種類の緊急避妊薬=東京都荒川区のOGP薬局荒川店

 望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬を医師の処方箋(せん)なしで販売する研究事業で、日本薬剤師会は、2023年11月下旬からの2カ月間に2181件の販売実績があったと公表した。

 事業は、処方箋が不要な「OTC医薬品」にするためのもので、今年3月末までに終わる予定だった。だが、厚生労働省は「まだ十分なデータが確保されていない」と判断した。研究事業に参加する薬局を増やす方向で、今年度も継続する。

 緊急避妊薬は排卵を遅らせる薬で、性交後72時間以内にのむと8割の確率で避妊できるとされる。購入するには医師の処方箋が必要で、近くに受診できる医療機関がなかったり、受診に心理的な負担を感じたりする人が薬を使いづらいことが課題になっていた。

 研究事業では、全国145の薬局が処方箋なしで試験販売し、購入状況や、薬剤師の説明が十分だったかといった購入者へのアンケートを通して、薬局で適正に販売できるのかを検討する。

 日本薬剤師会によると、23年11月28日~24年1月31日の販売実績は全国で2181件。最多は東京都の266件で、神奈川県が231件、大阪府が169件だった。青森、秋田、山形、島根、山口の5県は10件未満だった。

 緊急避妊薬は海外では処方箋…

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