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「ウクレレを弾き出すと不思議と時間を忘れてしまう」と話す桂文枝さん=大阪市中央区、滝沢美穂子撮影
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落語家の桂文枝さん。憧れの若大将、加山雄三さんのサイン入りウクレレが宝物だそうです。加山さんとのエピソードや話し上手になる極意を語っていただきました。

屋上ビアガーデンで教わったウクレレ

 ハワイアンが大好きでしてね。戦後、大はやりしたんですよ。歌手でスチールギター奏者の大橋節夫さん(1925~2006)が歌う「小さな竹の橋で」とか「南国の夜」とか。どちらかというと和風ハワインアンに魅せられまして。スライドギターのビューンという音も良かったですね。

 ウクレレを弾き始めたのは大学のときです。僕は落研でしたけど軽音学部に頼まれて夏の屋上ビアガーデンで司会のバイトをやってたんです。楽器構成が同じなんでウェスタンのバンドがハワイアンを演奏しましてね。それで教えてもらうようになって。

 加山雄三さんへの憧れもありました。ちょうど若大将シリーズ(1961~71年)が人気の時代です。エレキではなくウクレレで歌うシーンも結構ありましたんでね。「海の若大将」(65年)で加山さんが水泳部の学生を演じられたときは在学中の関西大学のプールにロケにこられたんで見に行きました。フェンス越しはるか遠くの若大将らしき人を必死で探しましたよ。

 そんな雲の上の加山さんとこ…

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