子どもが不登校になる兆候を人工知能(AI)を使って把握する試みが学校現場で始まっている。個人情報の取り扱いなど慎重さが求められるが、「先手」を打った支援につなげられないか、関係者は試行錯誤している。
埼玉県の戸田市立笹目小学校の川上奈緒子教頭は、パソコン画面に映し出された児童の名前が気になった。「あれ、なぜこの子が?」。不登校になるリスクが高いと出ている。担任の教員に声をかけ、児童の様子を聞いた。事情を理解し、「しっかり見ていきましょう」と話した。
川上教頭が見たのは、戸田市が昨年12月に市内の全18小中学校に実証研究として導入した不登校予測システムだ。同市教育委員会の横田洋和・教育政策室長は「データを活用し、少しでも『先手』の支援を子どもたちに行うため」と狙いを説明する。
出欠や保健室の利用状況、学…