国連総会(193カ国)は26日、AI(人工知能)に関し、各国政府などが議論を重ねる場「AIガバナンスに関するグローバル対話」と、独立した「国際科学パネル」を設立する決議を採択した。AIの開発が急速に進む一方、規制の必要性も指摘されるなか、世界規模で課題を検討するための組織づくりを目指す。
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「グローバル対話」は年1回開催される。政府や利害関係者がAIについての「ベストプラクティス」(最良の方法)や教訓を共有し、オープンで透明性のある議論を行う場とする。初回は2026年にスイスのジュネーブで開き、27年は米ニューヨークで行う。
科学パネルは、AIの可能性やリスク、影響についての既存研究の分析など、AIをめぐる科学的な評価を証拠に基づいて行う独立組織としている。報告書を年1回、「グローバル対話」に提出する。世界の地域バランスなども考慮した40人で構成し、メンバーは近く公募するという。「最新のAI研究と政策立案の重要な橋渡し役になる」(国連報道官)という。
グテーレス事務総長は報道官を通じて採択を歓迎する声明を出し、「この歴史的な取り組みを支え、AIが全人類の公益に資する未来の構築に貢献するよう、全ての関係者に対して呼びかける」とした。