AI戦略会議・AI制度研究会合同会議で発言する岸田文雄首相(手前から2人目)=2024年8月2日午前10時52分、首相官邸、岩下毅撮影

 生成AI(人工知能)の法規制をめぐる議論が2日、政府で始まった。有識者会議「AI制度研究会」の初会合が開かれ、岸田文雄首相がリスク対応と技術革新の両立などを可能とする制度の検討を求めた。今秋にも議論をとりまとめ、早ければ来年の通常国会への法案提出を視野に入れる。

 岸田首相は「AIの安全性の確保が、AIの利活用促進、開発力強化のためにも不可欠だ」と述べた。その上で、制度を議論する前提となる四つの基本原則を表明。①リスク対応とイノベーション(技術革新)促進の両立②技術やビジネスの変化の速さに対応できる柔軟な制度設計③国際的な相互運用性や指針への準拠④政府による適正なAIの利用や調達――を掲げた。

 研究会は、政府のAI政策の司令塔である「AI戦略会議」の下部に位置づけられ、具体的な法規制のあり方を探る。AI研究者で、戦略会議の座長を務める松尾豊・東大教授がトップを兼ねる。このほか、弁護士の福岡真之介氏や岡田隆太朗・日本ディープラーニング協会専務理事ら14人で構成する。

 この日の会議では、委員から…

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