対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」を開発・運営する米オープンAIが、非営利団体(NPO)から営利企業へと転じる計画を断念した。激化するAI開発競争に勝ち残るため、サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は巨額投資ができる形態への移行を狙ったが、安全性への懸念を払拭(ふっしょく)できなかった。一方、これによって開発スピードが遅れれば、中国勢の猛追を許すとの見方もある。

 「AIは世界の終わりをもたらす可能性がある」。10年前の講演でこう発言したのは、後にオープンAIを創業する、他ならぬアルトマン氏だった。AIの危険性に警鐘を鳴らしつつ、「機械学習によって素晴らしい企業が生まれる」とも語った。

 アルトマン氏とともに同社を立ち上げた起業家イーロン・マスク氏にいたっては、2014年の講演で「AI開発は悪魔を召喚するようなもの」「核兵器よりも危険」とまで言及。制御不能なAIの危険性を早くから訴えていた。

 ところが、アルトマン氏は立…

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