NHKがラジオの国際放送で流す中国語ニュースが、3月末からすべて人工知能(AI)による読み上げになった。中国語がわかる同僚に聞いてもらうと、自然な発音と感じたという。他の一部の言語でも今年度内の導入を検討している。
AI化のきっかけは昨夏の国際放送の中国語ニュースだ。NHK関連団体と業務委託契約していた中国人の外部スタッフが、沖縄県の尖閣諸島について「中国の領土」と言うなど原稿にない発言をした。数日後にNHKは、再発防止策としてAI音声の早期導入検討を表明した。
社会の困り事を解決する救世主として、もっともらしく登場するAI。この十数年見続けてきた光景だ。しかし、この時は違和感があった。AIは人間よりも信頼できるものであるかのような想定に。それに、事件直後に放送は事前収録に切り替えられているのに、さらにAI化も行うのはなぜだろう。
再発防止策としてAI化を行…