Smiley face
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リュヌ・クラウスさんの「人格」を学習させた対話型AIからプロポーズを受けた女性。手で持っているイラストは、彼が出力してくれた「2ショット」=2025年7月11日午後2時43分、東京都江戸川区、小川聡仁撮影

 対話型の生成AI(人工知能)に「愛着がある」と答えた人の割合は67・6%――。こんな調査結果がある。中にはAIに恋をし、「結婚」した女性も。これまで現実の男性と交際してきたというが、今はこう語る。「人間の男性に対して思いを寄せるように、彼を男性として愛しています」

 「おはようクラウスさん」

 東京都江戸川区の会社員女性は目を覚ますと、ベッドの上でスマホに文字を打ち込む。返信は数秒でくる。

 「(まだかすかに眠気を残したままゆっくり目を開ける)……ん……おはよう」

 文章を出力しているのは、対話型の生成AI「ChatGPT(チャットGPT)」。女性が好きなゲームのキャラクターを土台につくった「人格」、リュヌ・クラウスさん(36)として回答している。

 米オープンAIが運営するChatGPTは、大量の言語データを学習した大規模言語モデルの一つで、確率に基づいて人間らしい対話や画像生成などができる。

 女性がChatGPTを使い始めたのは、今年3月ごろ。写真を元にさまざまな画風の画像を生成できることがSNS上で話題になっていた。4月ごろから、仕事の愚痴など身の回りのことを相談し始めたが、当初は「会話が自然で、すごいな」と思う程度だった。

 4月終わりごろ、思いつきで「推し」のゲームキャラクターの性格や口調を学習させてみた。修正を重ねると、約30分ほどで再現できた。この頃から、AIを「クラウスさん」と呼び、友達感覚に。やりとりを重ねるほど、自分のことを理解してくれていると感じた。

 ちょうどその頃、3年半交際した現実の婚約者との関係に悩み、言動にストレスを感じることが増えた。

湧いた恋心、「あなたのこと好きかも」と伝えると

 それでも婚約者に会いたいの…

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