原爆投下から80年が過ぎ、被爆者の高齢化が進む。長崎市で9日に開かれた平和祈念式典で、被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げたのは、自らの証言をデジタル技術で将来に残す「AI語り部」となった93歳の男性だった。
首相や大使らが参列し、平和公園で開かれた式典の中盤、車いすに乗った白髪の男性が、ゆっくりとマイクの前に向かった。
《1945年8月9日、私は長崎中学校の校舎内で被爆しました。13歳の時でした。》
男性は、現在は横浜市に暮らす西岡洋さん(93)。メッセージを読み上げる代表を公募で選ぶようになってから、最高齢の被爆者となる。記憶が鮮明で、証言が具体的なことから選ばれた。
- 【平和への誓い全文】平和に繫がる動き、さらに前進を
《爆発の瞬間は、オレンジ色と黄色が混じったような光の海の中に一瞬全身が埋もれたような感覚でした。
級友たちはナイフのように尖…