産業技術総合研究所で稼働を始めたAI研究用の最新スーパーコンピューター「ABCI3.0」=20日、千葉県柏市

 産業技術総合研究所は20日、AI(人工知能)の研究開発に特化したスーパーコンピューター「ABCI3.0」の本格稼働を始めた。国が約360億円を投じ、AI向けの計算を高速化できる半導体「GPU」を多数搭載。公的なスパコンでは国内最大規模の計算能力となり、大学や研究機関、スタートアップにも利用してもらう。

 千葉県柏市の産総研柏センターに設置され、報道陣に公開された。

 ABCI3.0の装置は長さ21メートル、幅19メートル、高さ6メートル。AI向けの計算方法で1秒間に620京回計算できる。理化学研究所のスパコン「富岳」の約3倍のAI計算性能になるという。需給が逼迫(ひっぱく)するGPUは、米エヌビディア製を調達した。

 産総研では、画像や文章、音声、物の大きさや距離を3次元計測したデータなど複数の形式を組み合わせた「マルチモーダル生成AI」の研究や、ロボットとの融合に取り組むという。

 産総研は「企業や大学がAI…

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