Smiley face
写真・図版
アジアインフラ投資銀行(AIIB)の新総裁に選出された鄒加怡・元中国財務次官=2019年4月、中国政府のホームページから

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は24日、年次総会を北京市で開催し、初代総裁として2期10年を務めた金立群氏の後任に、中国財務省の元次官の鄒加怡氏を選出した。金氏に続き中国財務省出身者が総裁ポストに就く。

 鄒氏の就任は来年1月の予定で、任期は5年。世界銀行で9年以上勤務し、国際開発分野で30年以上のキャリアがある。

 AIIBは、アジアのインフラ建設需要に対応するとして2016年1月に発足。世界銀行やアジア開発銀行(ADB)などと同じく、加盟国の出資で成り立つ国際開発銀行だ。現在、日米以外の主要7カ国(G7)各国を含む計110カ国・地域が加盟している。

 中国が主導した経緯から、当初は中国の巨大経済圏構想「一帯一路」政策に使われるのではないかとの懸念も強かった。中国財務省出身で初代総裁を務めた金氏は、世銀やADBなどで豊富な国際経験を持ち、AIIBの運営も独立性を重視してきたことでこうした懸念を払拭(ふっしょく)してきた。初のトップ交代で今後の組織運営にも注目が集まる。

共有