全日空(ANA)は、3~5月の国際線ファースト・ビジネス両クラスで提供する日本酒8銘柄のうち、4銘柄を北陸3県(富山、石川、福井)の酒蔵から選んだ。
ファーストクラスでは、石川の「農口尚彦研究所 山廃愛山」(提供3~5月)、福井の「常山 純米大吟醸 吉祥黒松」(同3、4月)。ビジネスクラスでは、いずれも富山の「満寿泉 限定大吟醸」(同3、4月)、「Shin IWA」(同5月)が提供される。
両クラスには、世界中の舌の肥えた人たちが搭乗する。日本酒は外国人にも人気で、昨年末には日本酒などの伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録された。
「吉祥黒松」の常山酒造(福井市)は、ANAの両クラスで初めての採用。奥越で栽培された酒米「さかほまれ」を35%まで磨きあげた米のうまみと、香りの中にシャープさがある絶妙なバランスの限定品だという。
同酒造の常山晋平社長は「純粋に酒そのものも味わえ、食との調和も取れている」と話す。ラベルは不老長寿の縁起のいい松をデザインしたもので、「世界の人に、より『和』を感じてもらいたい」という。
「Shin IWA」は、フランスの高級シャンパン「ドン・ペリニヨン」の元醸造最高責任者を務めたリシャール・ジョフロワ氏の酒蔵「白岩」(富山県立山町)が、シャンパンと同じように複数の原酒を混ぜ合わせる手法を採り入れたもので、一般販売はされていない。
選定は、世界唎酒(ききさけ)師コンクールで優勝経験がある、ホテル「ダブルツリーbyヒルトン東京有明」の北原康行・料理飲料部長がした。ANA広報部の担当者は「品質が高く、弊社の提示する要件に合う銘柄が多く集まった」と話す。