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モスクワのクレムリンで2025年5月14日、握手するロシアのプーチン大統領(左)とマレーシアのアンワル首相=AP

 東南アジア諸国連合(ASEAN)で今年議長国を務めるマレーシアのアンワル首相が14日にモスクワでロシアのプーチン大統領と会談した。トランプ米政権の高関税で世界が揺れるなか、ASEANが進める連携の多角化の一環だ。ロシアや新興国グループ「BRICS」との結びつきを強め、通商面で米国の「穴」を埋める狙いだ。

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 プーチン氏は会談で、マレーシアが「重要なパートナーだ」と語り、同国が引っ張る形でのASEANとの関係発展にも期待感を示した。アンワル氏も「(ロシアは)大切な友人だ」と応じ、両国の投資や貿易、原子力技術などをめぐる協力に触れた。会談後にはプーチン氏と並んで記者会見し、プーチン氏を10月のASEAN首脳会議に招く意向も明らかにした。

 アンワル氏のロシア訪問は2024年9月以来で、首相就任後2度目だ。通商や投資、エネルギーなどの分野での二国間連携の強化に加え、ASEANとロシアの関係深化も図る。マレーシア政府は12日の報道発表で、BRICSとASEANの関係の発展にも「関与していく」と記した。

 域内に新興国や貿易に頼る中小国を多く抱えるASEANは、域外の国・地域などとの結びつきを強め、貿易拡大や投資の呼び込みを狙う。特定の陣営に寄らない外交方針をとるASEANにとって、ウクライナ侵攻をめぐって西側諸国と対立するロシアも、その選択肢の一つだ。両者の関係は18年に戦略的パートナーシップに格上げされており、更なる深化を模索するとみられる。

 また、インドネシアやマレーシア、タイは昨年、BRICSの加盟国やパートナー国となった。ASEANとしても、巨大な人口を抱えるBRICS諸国との関係も強化したい考えだ。

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