みのかも金蝶堂が開発した「梨とクリームチーズの羊羹 7481」(右)と「梨とシナモンのケーキ 7051」。7051は美濃加茂市内にある太田宿が「中山道の51番目」の宿場であったことにちなんで名付けられた=岐阜県美濃加茂市提供
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 我が町の特産品をヒットさせたい――。全国の自治体や企業が頭を悩ませるそんな難題に挑み続ける仕掛け人がいる。全国でセレクトショップを展開する「BEAMS」(ビームス)の鈴木修司さん(48)は、8年前から自治体などとタッグを組み、ヒット作を生み出してきた。この春、鈴木さんが携わったのは、岐阜県美濃加茂市での特産品づくりだ。

 ビームスは2016年に、日本の伝統工芸や特産物を世界へ発信する事業「BEAMS JAPAN」(ビームスジャパン)を立ち上げ、神戸市、名古屋市、大分県別府市などの自治体のほか、企業ともコラボしている。

 鈴木さんは、この事業のクリエイティブディレクターとして、8年間でおよそ20の自治体の企画などを手がけ、数々のヒット作も生み出してきた。

 例えば、愛知県瀬戸市の陶磁器工芸メーカー「中外陶園」と手がけた、ビームスのシンボルカラーと同じオレンジ色の招き猫は、リアルな風貌(ふうぼう)が人気で品切れが続出。発売から8年たった今も「入荷まで半年待ちの状態が続いている」(担当者)という。

美濃加茂市の新たな特産品は?

 ヒット請負人の鈴木さんは、年間120日出張し、全国を飛び回っている。4月末に足を運んだのは、新たな特産品のお披露目の舞台が整った岐阜県美濃加茂市だった。

 「これからの美濃加茂の明るい未来の礎になるものができあがった」

 市制70周年の記念として、地元企業・団体と協力して開発した商品の発表会で、鈴木さんは力を込めた。

 市内の6事業者が参加し、スイーツやクラフトビール、木製の小屋などの商品が並ぶなか、最初に紹介された商品は「梨とクリームチーズの羊羹(ようかん) 7481」。

 市内で60年以上続く和菓子店「みのかも金蝶堂」とコラボした羊羹で、梨のゼリーとクリームチーズが2層になっている。美濃加茂の特産品である梨を使ったスイーツだが、鈴木さんがこだわったのは、味だけでなく、そのネーミングだという。

「7481」採り入れた2つの理由

 特産品づくりの依頼を受ける…

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