日本の音楽を世界に発信することを狙った、新しい国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」(MAJ)の授賞式が21日に始まりました。日本の楽曲は海外でどこまで通用するのか。音楽配信大手スポティファイのグローバル役員(ビジネス・サブスクリプション事業統括)のグスタフ・イェレンハマーさんに、海外から見た日本の楽曲の現状や、CDが強い日本市場における展開について聞きました。
――日本の音楽の海外での人気をどう見ていますか。
「特にここ数年、Z世代を中心に日本の楽曲が海外で広く聴かれています。スポティファイ上で楽曲が再生されると、アーティストら権利者にロイヤルティー(対価)が支払われます。昨年、日本のアーティストが生み出した対価の約半分は、海外リスナーが聴いたことによるものでした」
――地域的な特徴はありますか。
「以前からファンが多かったアジアだけでなく、欧米でも人気が出ています。米国の大型音楽イベント『コーチェラ』に、『Number_i』や『XG』、『新しい学校のリーダーズ』といったアーティストが出演したのもその表れの一つでしょう」
「興味深い動きは、日本のアーティストが日本語で歌った曲が受け入れられ始めている点です。2024年に日本のアーティストがスポティファイで生み出したロイヤルティーの約75%が日本語の楽曲によるものでした。この動きは韓国語やスペイン語などほかの言語でもみられる現象で、言語はもはや海外展開における『壁』ではなくなっています。歌詞に日本語を採り入れる海外のアーティストも出てきています」
「多様性が日本の楽曲の魅力」
――人気の背景には何がありますか。
「アニメや映画の主題歌とし…