25日から公開中のCGアニメ映画「がんばっていきまっしょい」は爽やかな感動を味わえる快作です。見どころは弾む会話の楽しさと静かな場面の情感。監督の櫻木優平さんは前作「あした世界が終わるとしても」のようなSFよりも、本作のような文芸ものがマッチしていると感じました。前作がイマイチだったという方も、ぜひ見てほしい1本です。櫻木さんにインタビューしましたので、そのお話もたっぷりと。
まずは作品の説明から。田中麗奈さん主演による1998年の実写映画版が名高い敷村良子さんの小説「がんばっていきまっしょい」のアニメ化で、海のきれいな町でボート競技に打ち込む5人の女子高校生の青春ドラマです。主人公である高2の悦子(悦ネエ)は、廃部状態のボート部を復活させたいという転入生・梨衣奈(リー)の熱意にほだされ協力、幼なじみの姫(ヒメ)、同学年の妙子(ダッコ)と真優美(イモッチ)も加わって部員が5人そろい、名義貸しだけのつもりだった悦ネエも初の大会に出場することに――。
私も実写映画は当然見ていましたが、「そうか、あれはアニメの定番、女子の部活ものだった」と今になって気づきました。
櫻木監督「中学生くらいの時に見て、すごい変わった映画だなと思いました。スポーツものなのにスポ根じゃなく、女の子たちの淡々とした青春記。日常系アニメが流行(はや)りだした時、その元祖だと気づきました。自分はもともと女の子の頑張る話が好きで、次の映画でそういうのを作ろうと企画を考えた時、今の映画の状況ではオリジナルだと埋没してしまうのが心配だったので、それならみんな知ってる、頑張る女の子の『元祖』を直球勝負でやってみようと、これに決まりました」
何の才能もない自分は努力し…