パナマ運河などの港湾事業の売却交渉を米国などの企業連合と進めている香港の長江和記実業(CKハチソンホールディングス)は28日、売却先の企業連合に中国の投資家を参加させる意向を表明した。「規制部門の許可を得るため」と説明しており、売却に反対している中国政府から、了承を取り付ける狙いがあるとみられる。米側は反発する可能性がある。
- 「パナマ運河を取り戻す」は「米の国益を損う」 トランプ氏への警告
同社は中国投資家の名前を明らかにしていない。米ブルームバーグは今月、中国国有企業が企業連合への参加を検討していると報じている。
CKハチソンなどは3月、米資産運用大手ブラックロックなどの企業連合にパナマ運河など計43港の運営権を228億ドル(約3・4兆円)で売却することで基本合意したと発表。28日の発表では、企業連合との独占交渉期限はすでに終了したものの、引き続き交渉を続けていると説明している。
トランプ米大統領は1月の就任後、「パナマ運河は中国が支配している」として「米国が取り返す」と主張していた。一方で売却計画が明らかになると今度は、香港の親中紙が米側やCKハチソンを批判する記事を掲載。中国の独占禁止当局も事業売却を調査する意向を示していた。