二酸化炭素(CO2)の排出削減は、化石燃料を扱ってきたエネルギー業界にとっても待ったなしの課題です。どう向き合っていくのか。大阪ガスの藤原正隆社長に聞きました。
――2030年度までに、社会全体のCO2排出を16年度より1千万トン抑えることに貢献する、との目標を掲げています。どう実現していきますか?
ガスに次ぐ事業の柱になっている電力事業では、再生可能エネルギーの導入を進めています。太陽光発電が大きいですが、風力やバイオマスも手がけています。まず、これらには今後も力を入れていきます。
――主力のガス事業では。
日本のエネルギー消費の用途を見ると、家庭でお湯を沸かすことから、工場でガラスや金属を溶かすことまで、幅広く熱が使われています。
CO2を減らすには、エネルギー源を再エネ由来の電気にすればいいと思われがちですが、高温の熱を電気で得ようとすると効率が悪い。だからCO2排出を抑えた燃料が重要です。
水を再エネ電力で分解してつ…