東京湾沿岸の工業地帯から出るCO2(二酸化炭素)を、房総半島を横断するパイプラインで運び、太平洋側の海底の地下深くに貯留する――。そんな計画が千葉県内で始まっている。自治体などへの説明は終わり、今月から住民説明会が始まっているが、住民からは戸惑いの声も漏れる。
「CCS」(二酸化炭素回収・貯留)と呼ばれる技術を使った温暖化対策の一つで、入手した資料などによると、県内での計画は「首都圏CCS事業構想」と名付けられ、2030年の事業開始を目指す。日本最大規模のエネルギー開発企業のINPEX(東京都港区)と関東天然瓦斯開発(茂原市)の共同事業体「首都圏CCS」(千葉市)が、君津市に製鉄所を持つ日本製鉄と連携して進める。
房総半島横断のパイプライン、コースは
日本製鉄東日本製鉄所君津地区や、東京湾沿岸の京葉臨海工業地帯から排出されるCO2を、同地区で他の気体と分離して回収。幹線道路などの下に埋設した直径73~74センチのパイプラインで九十九里沖に運び、「圧入井(あつにゅうせい)」と呼ばれる注入用の井戸で海底下にある地層に注入して貯留する。
房総半島を横断するパイプラ…