経済産業省は20日、2026年度から導入する二酸化炭素(CO2)の「排出量取引」について、排出量が年10万トン以上の企業に参加を義務づける方針を明らかにした。鉄鋼や電力のほか、航空や物流、食品製造など300~400社が対象となる見込み。企業ごとに「排出枠」を割り当て、この枠内に収まらなかった場合、罰則も検討する。
排出量取引は、CO2の排出量に応じて課金する「カーボンプライシング」と呼ばれる手法の一つ。CO2の排出削減につながるとして、世界で導入が進んでいる。日本でも23年度から、政府が運営する「GX(グリーン・トランスフォーメーション)リーグ」を始めたが、一部企業の自主参加にとどまっていた。政府は26年度の義務化に向けて、来年の通常国会に関連法の改正案を提出する方針だ。実際の取引は27年度からの開始を見込む。
参加が義務づけられるのは、排出量の3年間の平均が10万トンを超える企業。政府が毎年度の「排出枠」を定め、無償で割り当てる。排出量が枠内に収まった場合、余った枠を他の企業に売ることができるが、上回ったら購入する必要がある。それでも枠内に収まらなかった場合には、負担金などの罰則も検討する。
排出枠をどのように算出する…