春季キャンプで練習する横浜DeNAベイスターズの松尾汐恩=2025年2月2日、沖縄県宜野湾市、清水優志撮影

 (3日、プロ野球 横浜DeNAベイスターズ1―0読売ジャイアンツ)

 積んでいるエンジンが大きいからか。元サイ・ヤング賞右腕は、立ち上がりに難がある。

 この日も一回、巨人の先頭泉口友汰に甘い直球を右前安打された。次打者の5球目にスタートを切られる。その時、ワンバウンドの変化球をDeNAの捕手、松尾汐恩がすくい上げ、矢のような送球で刺した。

  • 推し選手をスカウトに推薦? 斬新企画生むDeNAの「千本ノック」

 「まさかアウトになるとは。クレージーなプレーだった」とバウアー。その後も足技で揺さぶられたが、四、七回も松尾が盗塁を阻み、ピンチの芽を摘んだ。緩急や高低で的を絞らせない配球も光った。

 九回、27個目のアウトを取ると、バウアーは松尾をがっちりと抱きしめた。日本での初完封を支えてくれた、20歳への感謝の表れだった。

 2年ぶりに古巣復帰を果たした右腕は開幕からまさかの3連敗。心機一転、4月27日の前回登板では松尾とバッテリーを組み、8回1失点で復帰後初勝利をつかんだ。

 好相性の要因は、若き捕手の物おじしない性格にありそうだ。松尾いわく、会話は「適当な英語」。この日も各打者の特徴や狙い球をまとめた手書きのA4用紙を渡し、作戦を練った。「勉強させてもらいながらやっている。自分の感性や思ったことを受け入れてくれる。本当にいいコンビ」と松尾。

 八回には犠飛で決勝点をもたらしてくれた相棒に、34歳の右腕は「本当に才能あふれる選手」。経験と若さが混じり合う14歳差のコンビは、可能性に満ちている。

 三浦監督(D) 122球完封のバウアーについて「点を取られるまでいかせようと話をしていた。配球を考えながら、バッテリーでうまく攻められた」。

バッテリーで攻めた

共有
Exit mobile version