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洞穴で収集されたグスク時代の男女の頭骨。右側の女性は突顎になっている=今帰仁村教育委員会提供

 4年前、沖縄県今帰仁村(なきじんそん)の洞穴で見つかった人骨のDNA分析などから、謎の多い沖縄の中世史の一端が浮かび上がってきた。洞穴は本土の平安時代後期から室町時代にあたる沖縄のグスク時代(11~15世紀)の初期から300年以上利用されていた墓と推定され、各地にグスク(城)が築かれ始める時期の人々の暮らしぶりを知るカギになりそうだ。

 人骨は成人男性16人、成人女性9人、幼児1人の計26体。中世からの交易港として知られる運天港から2キロ内陸に入った畑地のわきにある自然洞窟(ガマ)から見つかった。

 国立科学博物館(東京)が人骨9体のミトコンドリアDNAを分析したところ、4体は本土の日本人に多い大陸由来の渡来系タイプ、残り5体は沖縄在地の人に多い縄文系タイプだった。渡来系、縄文系とも1組ずつが血縁者同士と確認された。

 また、放射性炭素年代測定で、データが取れた9体中8体は11世紀半ばから14世紀後半の人骨と推定された。集団が葬られたグスク時代初期の墓が発見されたのは初めてという。

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 国立科学博物館生命史研究部…

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