GADHA代表の中川瑛さん

 DV・モラハラ加害者のオンライン自助会「GADHA(ガドハ)」代表で、自身もかつて妻にモラハラしていた中川瑛(えい)さん(33)。「ケアのない関係はすべて加害」と語ります。

「間違いを正してやる」深夜まで説教

 僕が妻に対して取っていたコミュニケーションは本当に暴力的で、思い返すたび罪の意識で張り裂けそうになります。酔って話しかけて嫌がられたら「楽しく会話しないのはおかしい、俺が嫌いなのか」と激怒して深夜まで「説教」したり。僕のせいでうつ病になった妻が死にたいと言うと、一緒に生きていく約束をした相手にそんなことを言うなとなじったり。「間違いを正してやる」という感覚で、「自分の方が正しくて上の立場なのに、なぜこいつは格下として振る舞わないのか」と被害感情さえ覚えていました。

  • 連載「オトナの保健室」

 転機は、妻のものづくりの才能を応援しようと勝手にビジネスを立ち上げたことでした。一方的にノルマを設定し、嫌がる妻に「あなたのためだ」と押し付ける。こんなに応援してあげているのに、なぜ妻は泣くのだろうと不思議に思った時、自分がおかしいのではという疑念が湧きました。本を読むなどしてDVやモラハラといった概念に出合っていくうち、「愛」を理由に自分の望む形に相手をコントロールしようとすることが暴力の本質なのだなと知りました。

 同時に、僕も親から同じことをされてきたと思い出しました。そして、自分自身に対してもそうしていると。当時の僕は、脳内で常に「全然だめだ、もっとやれ」という声が聞こえて、その声を消すためにアルコールに依存している状態でした。自分にも他者にも不完全な状態でいることを許せず、勝手な期待を押し付けてしまう。論理や優劣ではなく、自分と相手の感情を尊重するための学び直しが必要だと気づきました。

 ただ、形式的な知識を増やし…

共有
Exit mobile version