欧州連合(EU)の加盟27カ国で行われている欧州議会選(定数720)で、9日夜、大勢が判明した。
すでに投票を締め切った加盟国の推定投票数と、世論調査を組み合わせた推計値によると、これまで議会の多数派を構成してきた、欧州統合を進める「親EU」の会派が過半数を維持する見通しだ。
ただ、欧州議会に七つある会派のうち、右翼会派「アイデンティティーと民主主義(ID)」が大きく躍進。右派会派「欧州保守改革(ECR)」や、会派に属さない各国の極右政党も議席数を伸ばし、全体の3割に迫りそうだ。
一方、フランスのマクロン大統領は9日夜、欧州議会選で自身の与党連合が右翼「国民連合(RN)」に歴史的大敗を喫したことを受け、国民議会(下院)の解散と総選挙の実施を発表。
ベルギーのドゥクロー首相も、所属政党「フラームス自由民主」の敗北を受けて、10日に辞任すると発表した。
約3億7千万人の有権者を持つ欧州議会選は、6日から加盟27カ国で、順次投票が行われていた。(ブリュッセル=牛尾梓)