2024年7月5日、モスクワで行われた会談で、ロシアのプーチン大統領(右)と握手するハンガリーのオルバン首相。スプートニク提供=ロイター

 欧州連合(EU)の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表は22日、ハンガリーが8月下旬に主催する非公式会合を事実上ボイコットし、独自の会合を別途開くことを決めた。同国のオルバン首相が独断でロシアや中国を訪問したことへの抗議を示すもので、7月にEU理事会の議長国に就任したハンガリーの権限を奪いかねない異例の事態になっている。

 この日、ブリュッセルで開かれたEU外相会合後の記者会見でボレル氏は、オルバン氏が「平和ミッション」と称し、議長国に就任後、EU側と事前の調整なくロシアや中国を相次いで訪問したことを批判。「(ロシアの)プーチン大統領を利するだけで、平和をもたらすことにつながらない」と非難した。

 議長国とは、加盟国の各分野の大臣によって構成されるEU理事会の議長のことで、7月から12月末まではハンガリーが担う。EU理事会は、欧州委員会が提案する法案や予算を承認するEUの重要な機関で、承認に向け、議長国は特定の議題について加盟国の担当大臣を集めた非公式会合を開催することができる。

連帯に基づく「EU憲法条約」違反の疑いも

 ハンガリーはロシアなどへの…

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