欧州連合（EU）の行政を担う欧州委員会は20日、中国がEU企業を医療機器の公共調達で不当に締め出したことへの報復として、今後、1件の発注額が500万ユーロ（約8・4億円）を超えるEU加盟国の公共調達から、中国企業を排除することを決めた。
欧州委は昨年4月、中国政府が自国製品の優先的な購入を促す「バイ・チャイナ」により、国外企業が医療機器の公共調達で締め出されている疑いがあるとして、調査を開始した。今年1月には、不当な締め出しがあったと認定。報告書では、中国での医療機器の公共調達の87%が、直接的・間接的な差別措置によって、輸入禁止などの形でEU域内の企業を排除していたと指摘している。
一方で、中国からEUへの医療機器の輸出は増加の一途をたどっている。2015～23年にEU域内に輸出された医療機器は、中国からが2倍以上に増加。EU統計局（ユーロスタット）によると、昨年は中国から約52億ユーロ（約8600億円）相当の医療機器を輸入している。
