欧州連合(EU)は6日、ブラジルやアルゼンチンなどでつくる「南米南部共同市場(メルコスール)」との自由貿易協定で合意に達したと発表した。25年に及ぶ交渉を経て決着した。人口計7億人超の巨大市場が誕生することになるが、フランスなど一部のEU加盟国は反対しており、実際に発効できるかは見通せない状況だ。
- トランプ政権が揺るがすドイツ経済 政府が警戒するシナリオとは
ウルグアイの首都モンテビデオでメルコスール側との交渉を終えたフォンデアライエン欧州委員長は、「世界最大級の貿易と投資のパートナーシップで、戦略的な産業発展につながる」と意義を強調した。
発表によると、今回の協定を通じ、EU域内の企業は合計で年間約40億ユーロ(約6300億円)の関税が減免される見通しになっている。EU側は自動車などの工業製品の輸出を促進させるほか、南米で採れる重要鉱物へのアクセスを確保し、中国への依存を減らす「デリスキング(脱リスク)」を進める狙いがある。
「またトラ」の逆風が合意を後押し
11月の米大統領選で返り咲…