欧州連合(EU)の最高裁にあたる欧州司法裁判所は10日、米アップルに130億ユーロ(約2兆円)相当の追徴税を支払うよう命じた。EUの行政を担う欧州委員会が2016年、アイルランド政府によるアップルへの法人税優遇策が「違法な補助金」として追徴税を課すよう求めた決定を、無効とした下級審の判断を覆した。
EUで競争政策を担当する欧州委員会のベステアー上級副委員長は、「欧州市民と『租税の正義』にとって大きな勝利だ」と評価した。
- グーグルに3800億円制裁金、欧州司法裁判決 「自社優遇で違反」
欧州委はこれまで、各国での巨額の利益を低税率の拠点やタックスヘイブン(租税回避地)に集める巨大IT企業に対し、税負担を回避しているとして積極的に調査を進めてきた。
課税権自体は加盟国政府にある。しかし欧州委は、特定企業への税優遇が、単一市場であるEU域内での公正な競争をゆがめる恐れがあるとして、13年以降、加盟国の税優遇措置への監視を強めてきた。
OECDでも議論進む国際課税
特に欧州でも法人税率が低い…