フランスのパリで2024年3月6日、アップルストアで撮影されたアップルのロゴ=ロイター

 欧州連合(EU)の最高裁にあたる欧州司法裁判所は10日、米アップルに130億ユーロ(約2兆円)相当の追徴税を支払うよう命じた。EUの行政を担う欧州委員会が2016年、アイルランド政府によるアップルへの法人税優遇策が「違法な補助金」として追徴税を課すよう求めた決定を、無効とした下級審の判断を覆した。

 EUで競争政策を担当する欧州委員会のベステアー上級副委員長は、「欧州市民と『租税の正義』にとって大きな勝利だ」と評価した。

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 欧州委はこれまで、各国での巨額の利益を低税率の拠点やタックスヘイブン(租税回避地)に集める巨大IT企業に対し、税負担を回避しているとして積極的に調査を進めてきた。

 課税権自体は加盟国政府にある。しかし欧州委は、特定企業への税優遇が、単一市場であるEU域内での公正な競争をゆがめる恐れがあるとして、13年以降、加盟国の税優遇措置への監視を強めてきた。

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