欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は8日、米国との関税交渉が決裂した場合、航空機など950億ユーロ(約15.5兆円)相当の米国産品への報復関税を検討していると明らかにした。EUは、米国が「相互関税」の税率上乗せを停止している90日間に交渉での解決を求めているが、決裂すれば強硬策に出る構えだ。
相互関税の一律10%分と自動車関税に対しての報復措置。対象品目リストは218ページにのぼり、米ボーイングなどの航空機や自動車・同部品、米国が反発するバーボンを含む。リストをもとに業界団体などに意見を求め、準備を進める。
またEUは米国に対し、44億ユーロ(約7200億円)相当の鉄鋼スクラップや化学製品の輸出制限も検討する。今後数週間のうちに、相互関税と自動車関税については世界貿易機関(WTO)に提訴するという。
切り札の「ゼロ関税」、簡単ではない交渉
EUは4月9日、米国の鉄・…