ワシントンのホワイトハウスで2025年7月14日、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と会談するトランプ米大統領=ロイター

 トランプ米大統領から30%の追加関税を突きつけられた欧州連合(EU)は14日、交渉が決裂した場合に備え、720億ユーロ(約12・4兆円)相当の米国産品への報復措置案を加盟国に提示した。米国のさらなる報復を懸念する一部の加盟国の意向を受け、当初の想定から減額。一方で、交渉戦術としてより強硬な対応を求める声も上がる。

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 この日、EU加盟国の貿易担当相がブリュッセルで臨時の会合を開いた。EUの行政府、欧州委員会で貿易と経済安全保障を担当するシェフチョビッチ委員は記者団に、「我々の感覚では、原則合意に限りなく近づいていた」と述べ、突然の通達に遺憾を表明した。

 EUは3カ月間にわたり、農作物から自動車部品に至るまで1700品目の関税対象について、米側と協議を重ねてきたという。

 しかしトランプ氏は12日、書簡一通で30%の追加関税を一方的に通知。シェフチョビッチ氏は「30%以上の税率が続けば、実質的に我々が知る貿易は終わるだろう」と警告した。

EUの最終手段、「テーブルの上に」

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