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ベルギー・ブリュッセルのEU本部で2025年8月28日、声明を発表するフォンデアライエン欧州委員長=AP

 欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は1日、フォンデアライエン委員長を乗せたチャーター機が東欧ブルガリアの空港に着陸する際、飛行機のGPS(全地球測位システム)が電波妨害を受けて機能しなかったと明らかにした。欧州委の報道官によると、ブルガリア当局がロシアによる妨害工作の疑いがあるとして、捜査しているという。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、8月31日、チャーター機がブルガリア中部プロブディフの空港に着陸しようとした際、GPSが機能しなくなり、パイロットが地図を頼りに手動操縦で着陸させたという。フォンデアライエン氏にけがはなかった。

 一方、ロシアのペスコフ大統領報道官はFTの取材に、「あなたの情報は誤っている」とコメントした。

 欧州委の報道官によると、東欧ではロシアやベラルーシによる航空機や船舶を狙った妨害電波を出す「ジャミング」が常態化しており、6月には13加盟国が対策を求める書簡を欧州委に提出したという。

 フォンデアライエン氏は8月29日から、ロシアやベラルーシと国境を接するか、黒海を挟んで向かい合うEU加盟7カ国を歴訪していた。

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