脱炭素の流れをくんで、電気とモーターで動く電動バス(EVバス)が国内でもじわりと広がっている。全国を走るバスに占める割合はわずかだが、急速に台数を増やしている。その車両の作り手は、多くが海外企業。日本勢は巻き返しを図ろうと、自社生産に本腰を入れ始めた。

いすゞ自動車の電動バス「エルガEV」=2025年5月23日午後1時22分、宇都宮市、松岡大将撮影

 バスの車内はバリアフリーになっており、段差がない。加速はスムーズ。うなるようなエンジン音もない。振動も少なく、つり革はほとんど揺れなかった。

 いすゞ自動車と日野自動車のバス製造を手がける合弁会社「ジェイ・バス」の宇都宮工場で5月下旬、同社がつくったEVバス「エルガEV」をメディアに公開した。

 エルガEVをいすゞは昨年5月に発売。大阪・関西万博の会場と最寄り駅を結ぶシャトルバスや都営バスなどに相次いで採用された。

いすゞ自動車の電動バス「エルガEV」の車内。後部座席に段差がないのが特長だ=いすゞ自動車提供

 1回の充電で走れる距離は360キロ。希望小売価格は税込み約6600万円だが、国の補助金を使えばディーゼル型のバスと遜色ない価格で買えるという。

日本勢が出遅れた理由とは。海外勢に追いつけるのかを探りました。

 日本では、乗用車タイプの電…

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