「横浜市ことぶき協働スペース」でまちの課題を学んだ日本とアフリカの若者

2030 SDGsで変える

 横浜市で8月に開かれた第9回アフリカ開発会議(TICAD9)と関連会合では、アフリカと日本の「共創」が焦点でした。SDGs(持続可能な開発目標)が掲げる「誰一人取り残さない」社会の実現には、可能性を秘めながら多くの課題を抱えるアフリカの発展が不可欠です。「for Africa(アフリカのために)ではなく、with Africa(アフリカとともに)」を合言葉に、共創の土台をつくる草の根の取り組みを取材しました。

初の若者版TICADを開催

 日雇い労働者の町として知られる横浜市中区寿町で、住民の交流と支援者の連携拠点となっている「横浜市ことぶき協働スペース」を19日、日本とアフリカの若者5人が訪れた。

 200メートル×300メートルほどの狭い区画に約110軒の簡易宿泊所が並び、中心部の公園では毎週金曜日に炊き出しがある。スタッフは、住民の高齢化で福祉のニーズが高いが、支援者も高齢となり担い手不足が深刻だと説明した。

 ケニアからの留学生バスシェバ・オシエモさんが「住民の孤立を防ぐために有効な対策は?」と尋ねると、「健康と生きがい、社会参加です。それらがかなうような取り組みをしていきたい」。

 スーダン政府の職員で、現在は長崎大学大学院で国際保健を研究するサラーさんは「住民のニーズをさぐる手法はとても参考になる」と聴き入った。

 5人は「Youth(ユース) TICAD 2025」の一員だ。10~20代のユース世代が2024年から始めた活動で、国連開発計画(UNDP)や国際協力機構(JICA)などの支援を受けつつ、TICAD9にあわせて8月18~20日に横浜で初めて会合を開いた。

 日本とアフリカ計28カ国から93人が参加、グループに分かれて寿町やまちづくり団体などを視察したほか、コンテスト形式で課題解決のアイデアも出しあった。

 フェイクニュースへの対策…

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