米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「政策を調整する時がきた」と述べ、9月の利下げを事実上予告した。FRBはこれまでインフレ(物価高)の抑制を優先してきたが、雇用の下支えに急旋回している。
- NY市場で株高と円高進む パウエル氏、9月利下げほぼ明言
パウエル氏は23日、米西部ワイオミング州ジャクソンホールの経済シンポジウムで、世界の中央銀行関係者や経済学者らを前に講演した。
2年前の同じシンポジウムでは、高金利によって「家計や企業にはいくらかの痛みをもたらすだろう」と、一定の犠牲を払ってでもインフレ抑制を優先する方針を強調。「拙速な政策の緩和を歴史は戒めている」とも述べ、早期の利下げを否定した。
だがこの日は様変わり。インフレ抑制は「完了したわけではないが、かなり前進した」とし、「持続的に(目標の)2%に戻る道筋をたどっているという確信を深めている」と語った。米消費者物価指数は22年6月に前年比で9.1%まで上がったが、直近7月には2.9%と3年半ぶりの2%台まで落ち着いた。
一方で強調したのが、労働市…