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記者会見するFRBのパウエル議長=2024年6月12日、ワシントン、榊原謙撮影
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 根強い物価高(インフレ)の抑え込みをめざす米連邦準備制度理事会(FRB)は12日、年内の利下げ回数をわずか1回と見込んだ。前回3月時点の3回から大きく後退し、市場の事前予想(2回)も割り込んだ。ただ、この日の米株式市場は底堅く動き、市場は依然として年内2回の利下げを期待している。どういうことだろうか。

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 米国では昨年7月以降、政策金利が5.25~5.50%で高止まりし、金融緩和を続ける日本との金利差などから、歴史的な円安ドル高につながっている。

 米国の高金利はインフレを和らげる一方、景気を冷やすため、株式市場では早期の利下げ待望論が根強い。利下げペースは為替相場にも大きく影響する。米連邦公開市場委員会(FOMC)が3カ月ごとに示す政策金利の見通しに、市場の注目が集まっていた。

 今回のFOMCで示された見通しは「0.25%幅の利下げが年内に1回」で、市場の期待を下回るものではあった。

 ただ、この数字は、FRBのパウエル議長や各地の連銀総裁らFOMCの参加者19人がそれぞれ予想した結果の「中央値」である点に注意が要る。

 19人のうち最多の8人は…

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