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主要20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議の記者会見で質問に答える議長国・南アフリカのゴドングワナ財務相=2025年2月27日、ケープタウン、今泉奏撮影

 主要20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が27日、閉幕した。トランプ米大統領が「米国第一」の政策を矢継ぎ早に打ち出すなか、世界経済への影響などについて議論したが、米国とG20各国との溝は深く、共同声明はまとめられなかった。

 会議は南アフリカのケープタウンで2日間開かれた。焦点の一つは、「トランプ関税」による世界経済の悪影響を避けるために、G20各国が一致点を見いだせるかにあった。日本の財務省関係者によると、会議では「保護主義」などに言及する国が相次いだ。日本銀行の植田和男総裁は記者会見で「関税政策を含めて、それが実行された場合に経済にどういう影響を与えるかという不確実性を、いろんな国の参加者が共有していた」と話した。

 だが、米側の代表であるベッセント財務長官が欠席し、解決策は見いだせなかった。議長国の南アは、全会一致が原則の共同声明をまとめられず、自身の判断で、「保護主義の高まりなどが経済の下ぶれリスクだ」と指摘する議長総括の公表にとどめた。

 今月20~21日に開かれたG20の外相会合でも、米国はルビオ国務長官が欠席した。世界経済の安定に向けて国際協調を訴えてきたG20の存在が揺らぎかねない事態となっている。

飛び交った「三つのキーワード」

 「分断」「保護主義」「不確…

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