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2025年7月10日、マレーシアの首都クアラルンプールで開かれたASEANプラス3外相会合に出席する岩屋毅外相=AP

 パレスチナ自治区ガザでの人道危機が深まっている状況を受け、主要7カ国(G7)メンバーのフランス、英国、カナダが国連総会の開催される9月にも、パレスチナの国家承認を表明する見通しになった。イスラエルに国際的圧力をかける狙いがあるが、同じG7メンバーの日本政府は米国との同盟関係もあり、難しい立場にある。

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 G7内では米独イタリアが、すぐには国家承認しない方針を崩しておらず、対応が割れている。岩屋毅外相は1日の会見で「重大な関心を持って注視している」と説明。イスラエルと将来の独立したパレスチナ国家が共存する「2国家解決」を支持する立場を強調したが、国家承認については「適切な時期やあり方を含め、引き続き総合的な検討を行う」と慎重な言い回しに終始した。

 パレスチナを国家承認した国はすでに約150カ国にのぼる。日本でも7月、国家承認を求める超党派の国会議員146人の署名が政府に提出された。だがパレスチナが国家として国連に加盟するには安全保障理事会の承認が必要で、イスラエルと特別な関係をもつ米国が常任理事国の拒否権をもつ。このため、各国が国家承認を表明しても最終的に安保理で承認される公算は小さく、あくまで象徴的な意味合いにとどまるとみられる。

 それでも仏英カナダが動いた…

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