カナダで15日から開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)をめぐり、G7各国が首脳声明の発出を見送る方向で調整していることがわかった。複数の外交筋によると、米国第一主義を取るトランプ米大統領と他のメンバーとの決裂を避ける狙いがあるという。
G7サミットは15~17日にカナダ西部のカナナスキスで開催され、石破茂首相も出席する。G7サミットでは、国際情勢、経済、気候変動などの共通認識を首脳声明として発出するのが慣例。ロシアをG8から外してG7に戻った2014年以降、首脳声明が見送られた例はない。しかし、G7各国は今回首脳声明を見送り、分野別の個別文書の発出にとどめる方針で、メンバー国間の決裂回避を優先させる。
今回のサミットでは、重要鉱物のサプライチェーン(供給網)の強化や、人工知能(AI)と量子を利用した経済成長、高賃金の雇用を創出する方策などを議論する見通しで、「トランプ氏の関心が高い分野がそろっている」(関係者)という。こうした課題について分野別に個別文書で成果を示す方向だ。