みなさん、こんにちは。トランプ氏が米国大統領に返り咲いて初めての主要7カ国首脳会議(G7サミット)が、カナダ西部のカナナスキスで開かれました。6月16、17日の日程でしたが、トランプ氏は16日の夜に帰国してしまいました。このため、17日に予定していたウクライナのゼレンスキー大統領との首脳会談は不発に終わりました。
トランプ氏がロシアによるウクライナ侵攻の停戦に向けた仲介から手を引こうとしている中で予定されていた今回の首脳会談を、ゼレンスキー氏は巻き返しのチャンスだと考えていたでしょう。しかし、その機会は失われてしまいました。
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G7は今回、ウクライナ危機についての共通認識を発表することもできませんでした。議長国カナダの関係者によると、米国がロシアを批判することに反対したということです。
- G7サミット閉幕 ウクライナ支援声明は出せず、米政権が抵抗か
トランプ政権は、大統領の突然の帰国の理由として、緊迫する中東情勢への対応を挙げています。確かにそうした面もあったでしょう。ただトランプ氏にとって、サミットの居心地が悪かったこともまた、事実だったと思います。
ウクライナ問題だけでなく、関税問題でもトランプ氏と他の6首脳の見解が真っ向から対立していました。米国にいるときのように、自分の言い分をごり押しすることはできません。
トランプ氏のG7への思いが…