ゴールデンウィーク明けによく耳にする「五月病」。新年度の疲れがたまり、大人だけでなく、子どもも不調が出やすい時期だ。親は子どものどんな様子に気をつければよいのか、子どものこころに詳しい順天堂大医学部付属順天堂医院の小児科医・田中恭子さんに聞いた。
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――「五月病」とよく言いますが、どんな病気ですか。
五月病という医学的な用語はありません。5月に入って、学校に行きづらくなったり、頭痛や腹痛、何となくやる気がでない、だるいなど心身の不調が出たりすることを、「五月病」と言うことが多いです。
――不調になる原因は?
自律神経のバランスで、体の色んな機能がコントロールされています。日本では進学や進級など、4月に色々なことが変わります。不安や緊張がある中で、子どもたちは新しい生活に前向きに取り組もうとする。頑張り屋さんの子どもほど、困難やストレスがあったとしても、交感神経を優位にして、新しい環境になじもうと体を奮い立たせます。
でも5月に入ると、暖かくなって血管が拡張しやすくなったり、疲れが出てきたりして、自律神経のバランスを崩しやすくなり、不調をきたしてしまうことがあります。
思春期のお子さんや、神経発達症と言われる自閉スペクトラム症や注意欠如多動症(ADHD)のお子さんも、元々自律神経のバランスを崩しやすいと言われています。
記事の後半では、子どもに出やすい症状や、気をつけたい子どもの様子などについて紹介します。
――具体的には、どんな症状が出ますか。
子どもの場合、だいたい症状…