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観測衛星「いぶきGW」を搭載して打ち上げられたH2Aロケット50号機=2025年6月29日午前1時33分、鹿児島県の種子島宇宙センター、米田怜央撮影
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 日本の主力ロケット「H2A」として最後の50号機が29日午前1時33分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。観測衛星「いぶきGW」が軌道に投入され、打ち上げは成功した。

 搭載された衛星は、気候変動の予測に役立てるため、二酸化炭素やメタン、海面水温などを観測する。衛星は目的によって投入する軌道や高度が異なるため、その軌道によって発射時刻が秒単位で決められる。

 当初、24日に打ち上げ予定だったが、機体の電気系統の機器に異常が見つかり、交換したため日程を延期していた。

 H2Aは全長53メートルの液体燃料ロケット。先代のH2ロケットの改良版として、2001年に初号機が打ち上げられた。日本の宇宙への「足」として、多い時で年間6回の打ち上げに成功した。

 小惑星探査機はやぶさ2や月探査機SLIM、気象衛星ひまわりなど、24年間で計約100機の衛星を宇宙へ運んだ。

 失敗は03年の6号機1回のみ。今回成功すれば、成功率は98%となり、日本の宇宙開発への信頼を高めたロケットは引退する。日本の基幹ロケットは、開発中の小型「イプシロン」があるが、当面は新型ロケット「H3」のみとなる。

急成長中の宇宙ビジネス スペースXが突出

 ただ、H2Aは打ち上げ費用が1回につき約100億円と高額で、海外衛星の受注は5回にとどまった。国際競争力の低さは課題として次世代のロケット開発に引き継がれる。

 宇宙ビジネスは今後、40年…

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