旅行大手エイチ・アイ・エス（HIS）は21日、従業員の休業手当を国が補助する雇用調整助成金（雇調金）の受給実態について、調査委員会による報告書を公表した。報告書では、新たに子会社2社で不正受給があったと認定した。
HISでは子会社の「ナンバーワントラベル渋谷」で約1・1億円の不正受給が発覚しているほか、HISでも不適切な受給があったとして、約62・5億円を返還している。
報告書によると、子会社「クルーズプラネット」は雇調金計約5億3650万円を受給したが、社長が特別休業日に従業員に業務を指示したり、当時の取締役が「目的は助成金狙い」などとメールし、出勤日の申請を半分程度に減らすよう指示したりしていた。また、別の子会社では短時間勤務を出勤としてカウントしない独自の運用を行っていたとして、不正受給があったと認められた。
ほかにも、従業員の一部が出勤したにもかかわらず記録しなかったなどとして、子会社14社で不適切な受給があったとしている。
