子宮頸(けい)がんを防ぐヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの「キャッチアップ接種」の期限が迫っている。対象は1997~2007年度生まれの女性。3回必要な接種のうち、少なくとも1回目を3月末までに終えれば、2回目以降も最大1年間、無料になる。1回目が4月以降だと全額自己負担になる。
子宮頸がんは、若い女性で乳がんに次いで多いがん。国内では毎年約1万1千人が罹患(りかん)、約2900人が亡くなっており患者の若年化も進んでいる。その主な原因がHPVへの感染で、ワクチンは子宮頸がんの原因となるウイルスの8~9割を予防できるとされる。
HPVワクチンは13年4月、小学6年~高校1年相当の女性を対象に、無料で接種を受けられる定期接種となった。しかし、接種後の体の痛みなどを訴える声が相次いで寄せられたことから、厚生労働省は同年6月に接種の積極的な勧奨を中止した。
その後、勧奨を再開する22年4月までの間に接種率が大幅に下がったため、厚労省はこの間に定期接種を見合わせた人の接種費用を無料にするキャッチアップ接種を始めた。
キャッチアップ接種は当初…