Smiley face
写真・図版
藤村忠寿さん

 5月に60歳になりまして、一応「定年退職」ということに相成りました。しかしながら、そのまま特別嘱託という形でHTBに再雇用され、職務も今まで通り「水曜どうでしょう」のディレクターとして働き続けております。ハタから見れば何も変わっていないように見えるんですが、実は自分の中ではとても大きな変化がありました。

 これまでは会社の売り上げに貢献するだとか、業務の改善に努めるだとか、社員として当然の責務をまぁまぁ自覚していたわけですが、定年を迎えた途端に、なんというか、言い方は悪いですけど会社に対してあきれるほど無責任になっちゃったんですね。

 いや、今だってHTBに雇用されていますから、そんなことを堂々と朝日新聞紙上で放言することは言語道断であると重々承知しておりますが、別の言い方をすると「今後もここで働き続けるために、肩の荷を下ろした」ということなんです。

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