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IoTを活用して養殖されたカキ「ADOMILK」=2025年2月14日午後0時33分、香川県東かがわ市引田、福家司撮影

 ハマチ養殖発祥の地として知られる香川県東かがわ市引田の安戸池で、IoT(モノのインターネット)を活用して養殖されたカキの「誕生イベント」が14日、現地であり、ブランド名が「ADOMILK」(アドミルク)と発表された。15日から池の近くのレストラン「ワーサン亭」で生ガキが提供される。

 市は、徳島県海陽町の水産ベンチャー、リブル、地元の引田漁協、市の第三セクター「ソルトレイクひけた」、徳島大などでつくる「市スマートカキ養殖実装コンソーシアム」に事業を委託して2023年10月、試験養殖に乗り出した。

 昨年4月には地元の引田漁協が漁業権を取得した。同年12月には市が生食用カキを浄化する水槽を設置。今年1月には池が生食用カキの採取水域に指定された。24年度まで2年間の事業費は約5千万円。

 セレモニーでは、地元の女性が書道パフォーマンスで「ADOMILK」を披露。引田漁協の網本昌登組合長は「安戸池が作る漁業の道を開いて間もなく100年。カキ養殖の挑戦を成功させ、ハマチ養殖発祥の地としての誇りを次世代に引き継いでいくため、地域一丸となって取り組んでいきたい」とあいさつした。池田豊人知事は「気候変動や人手不足といった課題をIoTを使って解決する技術を導入し、時代の要請に的確に対応された」と述べた。

 この後、「ワーサン亭」で関係者が試食した。池田知事は「名前の通りミルキーで、潮の香りがする。形も食べやすい」と感想を述べた。

 「ワーサン亭」では生カキを1個350円で販売する。カキは2~5月、毎月1千~1500個を提供する予定で、その後は県内の飲食店や東京のオイスターバーなどへ出荷を目指す。

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