未曽有の高関税を振りかざし、「米国に製造業を取り戻す」と訴えるトランプ米大統領。日本でも人気のiPhone(アイフォーン)を分解し、その中をのぞくと、トランプ氏が直面する「複雑な現実」が浮かび上がる。同時に見えてきたのは、日本の電子産業が置かれた厳しい環境だ。
米アップルのiPhoneは日本や韓国などさまざまな国で作られた2千点以上の部品でできている。世界中にはりめぐらされた供給網の恩恵を受ける、象徴的な製品といえる。その多くは、トランプ政権が合計145%もの追加関税をかけた中国で組み立てられている。
東京都内にあるフォーマルハウト・テクノ・ソリューションズを訪れた。電子部品の分解やコスト分析を手がける調査会社だ。
電子部品は「水のよう」
iPhoneの分析も得意な…